著者に訊く!
想田和弘 フォト&エッセイ『猫様』/映画『五香宮の猫』【著者に訊く!】
コロナ禍で27年間のニューヨーク生活から離れ、岡山県瀬戸内市牛窓にパートナーの柏木規与子さんとともに移住
そのゆったりとした暮らし出会った猫様たちや町の人々
ゆるやかに流れる時間の中で、カメラがとらえた風景
映画『五香宮の猫』
https://gokogu-cats.jp/
2024年10月16日収録
四國五郎・四國光 戦争詩【著者に訊く!】Page:39
軍隊とは、兵士とは、そして戦争とは何だったのか
反戦平和を希求した詩画人・四國五郎が遺した「戦争詩」と題された1冊のノートに詩の形で刻み付けられた60編から、その実相が浮かび上がる
長男の光氏が詳細な注釈と本人の挿画を付し、五郎生誕100周年を期して刊行された記念碑的詩集
2024年9月24日収録
雨宮処凛 難民・移民のわたしたち【著者に訊く!】Page:38
日本の入管(出入国在留管理庁)を知っていますか?
入管法に基づく「仮放免」という制度を知っていますか?
私たちの隣に、この制度に翻弄されて苦しむ外国人がたくさんいるのです。
犯罪などしていないのに、入管に収容されて命を落とした人も。
そんな日本の「移民・難民」の実態を、やさしい文章で書き止めたのが本書です。
少子化が進む日本、外国人との共生のための必読本です。
2024年9月13日収録
内田聖子 デジタル・デモクラシー【著者に訊く!】Page:37
ビックテックという巨大企業が世界を徘徊している
私たちの情報は丸裸にされ、彼らの手の内にある
労働者市民から学生、子どもたちまでビックテックに支配されている
抵抗する手段はあるのか、私たちは未来を取り戻せるか!?
2024年6月6日収録
田家秀樹 80年代音楽ノート【著者に訊く!】Page:36
吉田拓郎、井上陽水、甲斐バンド、沢田研二、シャネルズ、佐野元春、オフコース、RCサクセション、浜田省吾、中島みゆき、ユーミン、サザンオールスターズ……
数多くのミュージシャンの取材・交流を通して、日本の音楽シーンを描き切る
2024年6月6日収録
保坂展人 国より先に、やりました【著者に訊く!】Page:35
地方から政治を変えていけるか? これはその実践記録。
それまでの保守区政からたった5%の改革を続けながら92万人の住む巨大自治体の目覚ましい変貌を実現した。
国政から地方自治へ活躍場所を替えて実現した政策とは?
2024年5月29日収録
阿部定事件の性と愛の真髄! 村山由佳『二人キリ』 【著者に訊く!】Page:34
愛の究極は性愛の果ての死。
それを現実に生身の体で表現した「事件」があった。
血文字で書かれた「二人キリ」。
阿部定と石田吉蔵の凄絶な物語を描き切った作品!
2024年5月9日 収録
西村章 スポーツウォッシング【著者に訊く!】 Page:33
政治権力はスポーツを「洗濯」に使おうとする
スポーツの持つ<勇気と感動>で権力の意図を洗い流してしまう
それが「スポーツウォッシング」の意味
古今東西の巨大なスポーツイベントの陰に潜む意図を解きほぐして本来のスポーツの美を取り戻すために何が必要かを追求する
緻密な取材と様々な人物へのインタビューから見えてくる真実
国家や権力の介入からアスリートたちを解き放て
2024年3月27日収録
三上智恵 戦雲(いくさふむ) 【著者に訊く!】Page:32
映画と新書を同時に紹介。いずれもタイトルは『戦雲(いくさふむ)』。
タイトルは同一だが、内容はそれぞれ完全に独立、お互いが補完する。
沖縄が米軍基地によって苦悩してきたのは周知だが、さらに「台湾有事」に名を借りた自衛隊基地の、凄まじいほどの展開が住民たちを苦しめている。
穏やかで静かな島にミサイルが配備され、島の道路を戦車が走り回る。
屈せずに闘う人たちの姿と、その陰の日常の光景が鮮やかな対比で描かれる。
2024年3月1日収録
*著書『戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録』
https://www.shueisha.co.jp/books/item...
*映画『戦雲』
3月16日(土)より[東京]ポレポレ東中野、[横浜]シネマ・ジャック&ベティ、[大阪]第七藝術劇場、[神戸]元町映画館、[愛媛]シネマルナティックにて公開、ほか全国順次公開*
各地で三上智恵監督の舞台挨拶開催予定。くわしくは映画公式サイト
https://ikusafumu.jp/
青木美希 なぜ日本は原発をやめられないのか? 【著者に訊く!】Page:31
日本の原発行政とその問題点を渾身の取材で明らかにしていく。
著者の個人としての取材から見えてくる原子力ムラの実態。
それを取り巻く政官業学、そしてジャーナリズムの在り方までも問う。
どうすれば原発を停めることができるか。
原発の歴史をも見直しながら、脱原発への道筋を示す。
2023年12月7日収録
大矢英代×金平茂紀 『「新しい戦前」のなかでどう正気を保つか』 【著者に訊く!】Page:30
本の帯にこう書かれている。
「日本は『戦後』から『新しい戦前』に変わった!」
危機感を抱く二人が、いまを「戦前」にしないためにはどうするか、日本とアメリカの現実を見つめながら真摯に語り合った記録。
自らの体験から、ジャーナリストの果たすべき役割をも追求する。
2023年11月21日収録
佐高信流人物評伝の奥行き 『佐高信評伝選(全7巻)』【著者に訊く!】Page:29
辛口評論家と言われる著者だが、評伝作家としての評価も高い。
この全7巻に収められた評伝は、実に31人に及ぶ。
著者の意外な温かさがと愛郷心が垣間見える。
人物の実像に迫るのに、著者はどういう手法を駆使したか。
その謎を解き明かすインタビュー。
2023年11月3日収録
第1巻 鮮やかな人生
第2巻 わが思想の源流
第3巻 侵略の推進者と批判者
第4巻 友好の井戸を掘った政治家
第5巻 歴史の勝者と敗者
第6巻 俗と濁のエネルギー
第7巻 志操を貫いた医師と官僚と牧師夫人
小塚かおる 安倍晋三 VS. 日刊ゲンダイ【著者に訊く!】Page:28
本書は日刊ゲンダイと安倍晋三氏との「10年戦争」の軌跡、もしくは安倍晋三氏の「通信簿」といえる。
アベノミクスから始まり、安保法制での「戦争のできる国」へ。
危険な宰相を批判した日刊ゲンダイの記事を取り上げながら安倍長期政権の「大罪」を克明に追った!
2023年10月24日収録
安田菜津紀 国籍と遺書、兄への手紙【著者に訊く!】Page:27
ボランティア活動で海外渡航のためのパスポート取得の時、戸籍謄本に見つけた父の欄の「韓国籍」という文字。
そこから著者の「ルーツを探す旅」が始まった。
辿り着いたのは父の苦悩と異母兄の悲しみ。
そして祖父の足跡を求めて韓国へ向かう。
著者の探索はまるでミステリ小説のよう。
ヘイトスピーチとの闘いと、巡り合った在日の人たち。
フォトジャーナリストとしての生き方が文章と写真で鮮やかに描かれる。
2023年7月30日収録
森達也 映画『福田村事件』【著者に訊く!】Page:26
『福田村事件』―これに目を瞑ることは、許されない―
1923年、今からちょうど100年前に起きた「関東大震災」。
混乱に乗じ、数多くの「朝鮮人」がデマに煽られた日本人に虐殺された。
だが虐殺されたのは朝鮮人だけではなかった。
かなりの数の「日本人」も朝鮮人と間違えられて殺されていたのだ。
その悲劇の典型的事件が、本作に描かれた「福田村事件」である。
森達也監督が初めて挑んだ劇映画、現代につながる状況を描く!
2023年7月17日 収録
映画『福田村事件』公式サイト
https://www.fukudamura1923.jp
佐高信 『反戦川柳人 鶴彬の獄死』【著者に訊く!】Page:25
兵士として未曾有の「隊長への質問」で処罰されるが屈せず、そののちも、命をかけて反戦の川柳を詠み続け、ついには監獄で赤痢に罹患し29歳の若さで獄死した鶴彬。
さまざまな文献を引きながら、魂に叫びの真髄に迫る渾身の著。
更には『佐高信評伝選5』(旬報社)の司馬遼太郎と藤沢周平での辛辣な司馬批判。
もう1冊『日本の闇と怪物たち 黒幕、政商、フィクサーたち』(平凡社新書)も紹介。
著者・佐高信の八面六臂の活躍ぶりに驚く。
2023年6月28日 収録
四國光 『反戦平和の詩画人 四國五郎』【著者に訊く!】Page:24
軍隊に徴兵され、敗戦後にシベリアに抑留された。
その間も、小さなメモ帳を隠し持ち、あらゆることを記録した。
そのメモをもとに、帰国後、凄まじい勢いで絵と文章を生み出した。
それが画家で詩人だった「四國五郎」である。
五郎の長男・光さんが尊敬と哀惜を込めて著した『反戦平和の詩画人 四國五郎』
広島で、奇跡の画家と呼ばれた人の評伝を、著者が語る。
2023年6月27日 収録
斎藤貴男 「特別編」~週刊朝日の「インボイス」記事を読む~ / 増補 空疎な小皇帝「石原慎太郎」という問題 【著者に訊く!】Page:23
これではフリーランスは生きていけない、との悲鳴が聞こえる。
インボイス制度が、この国の文化と働き方を壊していく。
これは消費税というカラクリがもたらす労働環境の破壊であることを徹底解説。
そして『増補 空疎な小皇帝「石原慎太郎」という問題』(岩波現代文庫)を紹介。
改めて、国を歪めた男の正体に迫る…。
2023年3月16日 収録
浜田敬子 男性中心企業の終焉 【著者に訊く!】Page:22
女性の働き方を、企業、労働者、そして社会の面から考察すると、そのジェンダーギャップの深さに愕然とする。
しかし、壁をぶち壊そうとする企業が、少数ながらも出現し始めている。
それが日本社会の閉塞状況に風穴を開けることになるのか。
著者は、多くの現場に足を運び「女性の労働問題の解決こそが日本社会の変革へつながる」と確信する。
日本の中で最も遅れた部分が「政治」であることを実感し、地方からの政治変革にも言及する。
新しい形での「日本現代社会論」というべき著作である。
2023年3月9日 収録
伊藤詩織 裸で泳ぐ 【著者に訊く!】Page:21
伊藤詩織さんの『Black Box』(文藝春秋)に続く2冊目の著書『裸で泳ぐ』(岩波書店)についてのインタビュー。
前著は厳しい題材で、文章もまるでガラスのかけらを踏むような痛々しい感じだったけれど、本書はやわらかい日記風のもの。
新しい世界へ踏み出しながら、それでも時折顔をのぞかせる記憶は今も切ない。
「生き延びる」から「生きている」に変わっていく軌跡を読みとる。
2023年2月9日 収録
日野行介 原発再稼働 / 調査報道記者 【著者に訊く!】Page:20
原発とは何かを突き詰めていくと、壮大な欺瞞と嘘にぶちあたる。
健康調査の闇、避難者を追い出す棄民政策、放射能汚染の隠蔽、
除染の真の意味、規制委員会という組織の欺瞞性、事故時の避難計画の杜撰…
それらを問い糺すことが「調査報道記者」という仕事だと語る著者。
執拗ともいえる調査と、熱い意志が結実した2冊の本についてインタビューする。
2022年9月14日 収録
訂正
1:40 著書紹介で「除染と国家 21世紀最悪の国家事業」は「除染と国家 21世紀最悪の公共事業」の誤りです。
著者ならびに関係者・視聴者の皆様に謹んでお詫び申し上げ、訂正いたします。
安田浩一×安田菜津紀 外国人差別の現場 【著者に訊く!】Page:19
人はなぜ人を差別するのか、その根源に迫るルポ&対談集。
現代の闇、「人権国家ニッポン」の恥ずべき外国人差別の現場。
「出入国在留管理局」の閉ざされた部屋の中で何が起きているか。
ウィシュマさんの死以外にも、これほどの残酷な扱いの数々に戦慄する。
それはまさに「人間収容所」、戦前の特高警察の流れをくむ暴力体質。
そして「技能実習」に名を借りた「奴隷労働」の実態。
ふたりのジャーナリストが懸命に訴える「人間復活」へのルポルタージュ!
2022年7月26日 収録
森達也 千代田区一番一号のラビリンス 【著者に訊く!】Page:18
誰でもが知っているけれど、その内実に触れてはいけないとされる人たちがいる。
週刊誌では好奇の目にさらされながら、なぜか生活や心情を描くのはタブー(禁忌)。
姓を持たないふたり、それが天皇夫妻(現・上皇夫妻)という存在。
これは、著者がこのふたりを主人公に書き上げた、初めての「純愛小説」である。
狂言回しは作者の分身である映像作家の森克也。
そして実名で出てくる著名人や業界人たち、面白くないわけがない。
迷い込む皇居の地下の迷宮ラビリンスの闇が、読者を闇の世界へ連れまわす。
本書の帯には「戦後日本の表現における臨界に挑む問題小説」とあるけれど、果たして!
2022年6月13日 収録
斉加尚代 何が記者を殺すのか 【著者に訊く!】Page:17
大阪のテレビ局からの発信が、全国を揺るがしている。
映画と本のふたつのメディアで、息苦しい報道現場に風穴を開けた。
報道記者が殺されるのは、権力の圧力とそれに忖度する社内外の空気。
沖縄の基地反対運動、教科書問題、ネット上のバッシングなどを題材に、現代特有の報道の窒息状況へ立ち向かうディレクターとその仲間たち。
すさまじい熱気が描き出す、現代テレビ・ドキュメンタリー最前線!
2022年6月13日 収録
布施祐仁 自衛隊海外派遣 隠された「戦地」の現実 / 日米同盟・最後のリスク【著者に訊く!】Page:16
なぜ自衛隊は戦地に送り込まれたのか、そこで何が起きていたか。
情報公開制度を徹底的に駆使して挑んだ、調査報道の金字塔。
隠された事実と、政治家たちに翻弄された自衛隊の真の活動の姿。
同盟という名の軍事協力の果てに、アメリカが望んだ日本の姿があった。
なぜ、米軍のミサイルが日本にこれほど多く配備されるのか。
13年間の取材の成果によって、日本国の行く末を読み解く2冊!
2022年6月2日 収録
島田雅彦 パンとサーカス【著者に訊く!】Page:15
驚天動地の大エンターテインメント。
「パンとサーカス」で大衆支配を目論む国家に対峙、世直しを目論むのはテロリズムか戦争か。
学生時代にふたりだけの反逆組織「コントラ・ムンディ」を作った火箱空也と御影寵児が
CIA,中国国家安全部、内閣情報室を手玉に取り、命を懸けての大活劇。
絡むのは聖娼婦・桜田マリアに、極右フィクサー老人・蓮華操など。
登場人物50名超の大スペクタクル。
果たして「小説で起こす革命!」は可能なのか、557ページを一気読み!
こんな小説をなぜ書いたか、著者の怨念に肉薄インタビュー!
2022年5月24日 収録
藤田孝典 ひとりでがんばらない!【著者に訊く!】Page:14
『ひとりでがんばらない!』(クレヨンハウス刊、1500円+税)
子どもといっしょに、大人にも読んでほしい社会派えほん。
日本社会がいま置かれている状況を、やさしい言葉で解き明かす。
「イヤだと言ってもいいんだよ」と、子どもたちへ「無理をしないで」と呼びかける。
少し重い内容だけど、北村人さんの絵がとてもあったかい。
訂正
番組冒頭で書名が「とりでがんばらない!」となっておりますが
正しくは「ひとりでがんばらない!」になります。
著者ならびに関係者・視聴者の皆様に謹んでお詫び申し上げ、訂正いたします。
2022年3月28日 収録
藤田TV【生活支援チャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCuWD...
山崎 雅弘 歴史戦と思想戦【著者に訊く!】Page:13
「歴史戦」という言葉が、いままた無批判に使われている。
この言葉はどういう経過で生まれ、誰が使い始めたのか。
戦前に源流を持つ言葉の意味を、現代に蘇らせたものの罪は大きい。
歴史修正主義と親和性の高いこの流れを、戦史・紛争研究の第一人者が分かりやすく解説し、その危険性を指摘する。
歴史に学ばないものは、いずれ歴史に復讐される。
2022年2月23日 収録
山岡淳一郎 コロナ戦記【著者に訊く!】Page:12
『コロナ戦記』は、現在進行形のコロナ感染症の事態のすべてを、ほとんど余すところなく解き明かしたノンフィクション作品だ。
まるでパニック小説を読むように、読者は冷たい汗を感ぜざるを得ない。
次から次へと現れる疑問を、著者は丁寧に解析し腑分けしていく。
ノンフィクションの持つ力を、あらためて感じさせる。
だが、コロナとの戦いはまだまだ終わらないと、著者は指摘する。
2021年11月23日 収録
望月 衣塑子 報道現場 / ジャーナリズムの役割は空気を壊すこと【著者に訊く!】Page:11
「マスメディアの報道姿勢が危ない」と批判される中、権力者が隠したい事実を明るみに出す、
隠蔽を白日の下に晒す、それこそが「報道現場の魂」と譲らない新聞記者。
入管問題、日本学術会議への人事介入、フェイクニュースの裏側、コロナ禍と東京五輪…。
著者が食らいつくニュースが次から次へと噴出する世の中、新聞記者は眠れない。
闘う記者の本音を書き尽くし、語り尽くした2冊の新書!
2021年11月17日 収録
金平茂紀 筑紫哲也『NEWS23』とその時代【著者に訊く!】Page:10
時代は動いていた。かつて、テレビニュースが時代とともに疾走していた。
ジャーナリズムが輝いていた。
その最先端に位置していたのが「筑紫哲也 NEWS23」だった。
もし筑紫哲也が今も生きていたら、この世の中をどう語るだろう?
筑紫哲也とともにNEWSを見つめ、テレビの中でその本質を探ろうとした著者の、
尊敬すべき「ニュースキャスター」に捧げるレクイエム。
本の中に、筑紫哲也がよみがえる。
2021年11月17日 収録
森達也 チャンキ【著者に訊く!】Page:9
2033年、日本は「タナトス」という不気味な症候群に見舞われていた。
感染すれば確実に自らの生命を断つという自己破壊衝動に襲われる。
しかもそれが「日本人」という人種のみに発生する奇病であった。
その中で必死に生き抜こう高校生ふたり、チャンキと梨恵子。
行ってはならぬ場所「カメ地区」に足を踏み入れたふたりを待つものは…。
作家の想像力が生み出した、現代のコロナ禍を暗示する近未来小説の傑作!
2021年10月14日 収録
北丸雄二 愛と差別と友情とLGBTQ+【著者に訊く!】Page:8
これは、性的マイノリティとされる「LGBTQ+」とは何かを解き明かす本であると同時に、
アメリカのもうひとつの側面史であり、やっと気づき始めた日本の状況分析であり、
なによりも著者自身の生き方を語る「自分史」でもある。
ことに、該博な映画の知識を通してアメリカの変容を語る筆致は、まさに圧巻。
そこに重なるのが、日本という「後進国」の歩みへの苛立ちと差別への怒り。
本書はまさに現代進行中の歴史を紡ぐ物語であり、
この番組は、その当事者が語る圧倒的な1時間である。
2021年9月11日 収録
中島岳志×保坂展人 こんな政権なら乗れる【著者に訊く!】Page:7
世田谷区の先進的な政策は、地方自治から国家を変える力となり得るか。
「保坂さんはリベラルな保守」と言う中島さんが、保坂区長と語り合った数十時間。
たった5%の改革が、10年の時を経て区政をこれだけ変えてきた。
「破壊でなく修復を」と唱える保坂区政は「こんな政権」への道しるべか。
そして、保坂展人さんはこれからどう動いていくのか?
2021年8月4日 収録
青木理×安田浩一 この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体【著者に訊く!】Page:6
本のタイトル『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』が、内容を表している。
「この国」には、いったいいつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか。
地べたを這うように現場に足を運んでルポする安田さんと、
引いた目線で現象の原因を探ろうとする青木さんのバランスが絶妙。
「匿名の悪意」をどうすれば押し戻すことができるのか。
最先端で活躍する気鋭のジャーナリストふたりが、本の中身と時代の現況を語り尽くす!
2021年7月22日 収録
偶然の家族(落合 恵子さん)【著者に訊く!】Page:5
ほぼ30年前に発行された『偶然の家族』がこの度、再刊された。
いま、本書の先進性、込められた思想の新しさが再評価されている。
シェアハウス、ゲイカップル、シングルマザー…「結縁の家族」という結ばれ方、
傷を持つ人たちが「傷をなめ合う」ことではなく、そこから何かを学び取る過程が
爽やかに、しかし深く描かれる群像劇。
著者が語る、執筆前後と現在の生き方と…。
2021年7月15日 収録
コロナ禍、貧困の記録(雨宮 処凛さん)【著者に訊く!】Page:4
雨宮処凛の近著『コロナ禍、貧困の記録』(かもがわ出版)には
「2020年、この国の底が抜けた」というサブタイトルがついている。
その言葉通り、本書は2020年春から始まった「コロナ禍」で
追い詰められていく弱者と並走しようとした著者の記録だ。
単なるルポを超えて、実践する活動家の重い記述は、読む者に迫る。
だが、中には希望の灯も見える。救われる者から救う側へと転身する人の希望。
これはウェブサイト「マガジン9」の連載をまとめたものだが、貴重な記録である。
2021年7月1日 収録
フェスとデモを進化させる 「音楽に政治を持ち込むな」ってなんだ!?(大久保 青志さん)【著者に訊く!】Page:3
政治に異議を唱えるデモや集会は、なんであんなにつまらないのだろう?
それならオレがお祭りにしてやる、と考えたわけでもないのだが、著者が関わるとこうなるのだ。
内田裕也のマネージャーを務めた著者は、ロックを片手に政界にも進出、東京都議会議員になってしまう。
破天荒な人生を、淡々と笑顔で泳ぎ渡る著者は、また雑誌「ロッキング・オン」創刊にも携わり
アトミック・カフェをひっ下げてフジロック・フェスでも八面六臂の活躍ぶり。
そんな男の半生を語る本、面白くないわけがない。津田大介・日高正博との対談も収録!
2021年6月10日 収録
いないことにされる私たち(青木 美希さん)/災害からの命の守り方(森松 明希子さん)【著者に訊く!】Page:2
2011年3月11日、あの日を境にまったく違った人生へ投げ込まれた人たち。
そこから必死の復活を果たそうとしても、立ちはだかる政治という名の冷酷なシステム。
なぜ私たちは「いないことにされ」なければならなかったかを、悲痛に問いかける本2冊。
そして、自ら命を燃やし尽くした少年への、痛切な祈りにも似たルポルタージュ。
読むのが辛いけれど、これからも起こりうる災害列島ニッポンへ贈る、これは痛切なドキュメントなのだ。
2021年6月3日 収録
音楽プロデューサーとは何か(寺本 幸司さん)【著者に訊く!】Page:1
伝説のシンガー浅川マキとの出会いが、伝説の音楽プロデューサーを生んだ。
最初の出会いはそれほどに鮮烈だったのだろう。
「時代に合わせて歌う気はない」と言う歌手と「歌は時代に色をぬる」と語るプロデューサー。
その相克が産み出した背景にある時間(1960年代末)と場所(新宿)。
そして、桑名正博やりりィ、南正人らとの邂逅と別離。
本書は、時代と歌への心からなるレクイエムである。
2021年6月3日 収録