ガラパゴス日本の風景


あなたの隣のトランスジェンダー(北丸雄二×時枝穂)【ガラパゴス日本の風景】20230725

実はなかなかあなたの隣にトランスジェンダーはいません。しかも、トランスした性で周囲になじんで「埋没」して生活している人もいます。「私の周りにはそういう人はいない」のではなく「そういう人が見えない」だけ。数が少なく就職するにも身体的性別と性自認の間の性別違和が障害となって社会的にも弱い立場にならざるを得ないトランスの人たちは、特に生きづらく圧迫を受けているように見えます。そういう当事者として、時枝穂さんをお呼びし、北丸さんと升味でねほりはほりうかがいました。

収録は2023年7月19日


反トランス運動~煽られる「女性の恐怖」米国発反LGBT運動の系譜【北丸雄二のガラパゴス日本の風景】20230626

あらためて北丸雄二さんに聞いてみました。日本で最初のLGBT法は、少数者の権利擁護ではなく「多数者」の権利に配慮するヘンテコリンなものになりました。短期間に、LGBTQの中でより弱い環であるT(トランスジェンダー)に対するいわれのない非難、恐怖が拡散され、それが、法案の変容を後押ししたことは否定できません。まるでトランスジェンダー女性が犯罪者予備軍であるかのような言説が飛び交たのは残念でした。

広く世界を見ると、このような反トランスジェンダー運動はアメリカで2015年に同性婚が最高裁で認められオバマが法律にサインし、共和党支持者でも多数が賛成するという社会情勢の中で、それまで反LGBTを資金源としてきた右派宗教団体やシンクタンクが新たな運動のネタを見つけようとして始まったものでした。

最近発表された反LGBT運動の域外からの影響を調査したEU議会の報告書では、域内の反LGBTQI+運動へのアメリカとロシアからの資金流入が問題として指摘されています。

問題は、彼らにとっては「女性の権利を守るという大義名分」では なく、「トランスジェンダーの脅威」という妄想を煽り、「リベラルの台頭を阻止する」というのが第一の、かつ唯一の、狙いだということなのです ──『愛と差別と友情とLGBTQ+』p163

差別とは何か、少数者の権利を擁護しながら共存する社会をつくるには何が問題か、このことを出発点に考えます。

2023年6月26日 収録


北丸雄二さんに今さら聞けない「LGBTってなに?」をきく②~セックスの話をしよう【ガラパゴス日本の風景】

今さら聞けない「LGBTってなに?」をきく①~なんでまた急に の続編。

にわかに話題の中心となったLGBT。 実はなんだかわからない、どう感じていいのか整理がつかないという方も多いのではないでしょうか。ホモやレズと蔑称が飛び交った時代を経て、生物界の豊穣な性、同性愛の存在や当事者たちのカムアウトによって同性愛と異性愛が発見された歴史などあれもこれも知らないことばかり、刺激的な北丸さんの話をどうぞ。

収録は2023年5月24日


北丸雄二さんに今さら聞けない「LGBTってなに?」をきく①~なんでまた急に【ガラパゴス日本の風景】

近日公開 続編「北丸雄二さんにいまさら聞けない『LGBTってなに?』をきく②~セックスの話をしよう」もよろしくお願いします。

にわかに話題の中心となったLGBT。 中国やロシアはLGBTの存在を認めることにも権利を認めることにも後ろ向き。当事者団体も活動停止に追い込まれています。この問題が東西の違いを明らかに西側世界の文化的社会的優位性を象徴するものであるかのように政治的に利用されている側面も否定はできません。そんな中、何周も遅れてLGBTへの理解を増進する法律を作ることさえままならない日本社会の状況って何なんだろう、私自身の実感のなさはなんなのか、というところから、ゆるゆる北丸雄二さんに聞いてみました。

収録は2023年5月18日